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10月25日
関空からユナイテッド航空で一旦、サンフランシスコへ。トランジットで更に移動し、メキシコシティへ。 予定よりやや遅れ現地時間20時に到着。入国審査の行列で1時間、タクシー乗り場の行列で30分程待たされ、夜は更けていく。 夜のタクシーは渋滞が解消しつつある市街地の道を、かなりのスピードで進む。 事前に聞いてはいたが、メキシコシティのドライバーは運転が荒い。 ホテル着は22時を回ってしまった。 今回、ホテルはカミノ・レアル(リカルド・レゴレッタ)だった。中心市街地からやや離れていたが、見学したい建築の一つでもあり拠点とした。 暗い市街地から、いきなりライトアップされた黄色やピンクの鮮やかな色が目に入る。 1968年のメキシコオリンピックに建てられてから既に40年以上経過している。しかし、メンテナンスも良くデザインとも古さを感じない。壁、床、天井の大きな面とその接点のディテールがシンプルでザックリとしている。また、色が効果的に使われている事も大きな特徴で、後で見たバラガンのそれと同じくメキシコ建築の特性と言える。 長旅の疲れでその日は直ぐに休む。 10月26日 朝、予約を入れていた現地のツアーに参加。ホテルのロビーでピックアップしてもらい、私達の外2名の方と車に乗り込む。バラガンの建築ツアーだった。バラガンの設計した建築の多くは一般にオープンとなっていない。その為、何らかの予約が必要であり、またその場所も公共交通機関で回ると時間が掛かり過ぎてしまう。その為、ツアーを利用する事にした。 高速道の中央分離帯に建てられたサテライトタワーに到着。 楔形の三角柱は元々、静止して見る為に建てられたものではない。高速で移動しながらその変化を見るべき物で、見る位置で柱の本数や、構成が徐々に変わる。 移動し、ベベデロ噴水へ。残念ながら現在は水が流されていない。 更に移動。次の目的地はロス・アマンテス噴水とサン・クリストバルの厩舎だった。こちらは入り口にセキュリティのある私有地内にあり、誰でも入れる場所ではない様だ。後の見学でも同じように、私有地の地区を進入道路で管理している箇所を良く見かけた。 ロス・アマンテス噴水は水が流されていた。ガイドの方に聞くと、何時来ても水があるとの事だった。水盤に溜められた水は、後のサン・クリストバルの厩舎と同じく、馬の水浴びの為にある。今でもこの地区では、馬を飼う事がステータスとして残っている。 そこからサン・クリストバルの厩舎へは歩いて直ぐの距離。しかしここにも硬く閉ざされた門扉がある。 写真ではロケーションが分からないが、比較的敷地の広い住宅街の一角に、住宅の門扉のような佇まいでその存在は全く外からは伺えない。入り口で出迎えてくれた髭の方の表情が怖い、と思っていたが話すとフレンドリーだった。 門をくぐると直ぐに噴水と水盤が目に入る。メキシコらしい真っ青な空と、赤茶、ピンク、藤色の壁が美しい。しばし見惚れる。 メキシコシティでは水は貴重である。夢を壊す様で申し訳ないが、サン・クリストバルの厩舎の水盤には常に水が流されているわけではない。この日も見学の時間に合わせて、水を流して頂いた様だ。 実際に厩舎として使われているため、預けられている馬を数頭見ることが出来る。 更に移動。 中心市街地付近に戻り、バラガン邸へ。通りからは周りの風景に混じって、全く区別が付かない。外観は何も主張していない。敢えて主張していない事を主張しているかの様。 通りに面した出入り口の内、玄関から室内に入った。それ程広くなく奥に長い空間、そこから階段のあるホールに至る。建物は財団により管理され、室内は原則、写真撮影が禁止されている。しかしながらごく最近、netにupしないと言う誓約書の元、500ペソを支払って撮影が可能となったとの事だった。文化財の保存の意図もあるらしい。やや高いが、折角なので撮影させてもらう事にした。写真は元々撮影可となっている屋上。 内部の空間は外部から閉ざされ、穏やかな光と静寂が支配している。この空間の根底にはバラガンの宗教観が深く関わっていると感じる。 空間をつなげつつも動線に変化を持たせて分節し、異なる空間が次々に現れてくる。 そこから比較的近い、ヒラルディ邸へ。こちらも外壁はピンクで目を引くが、通りの町並みからは突出して目立つ外観ではない。 ここには実際にお住まいになられているご家族がおられる。建設当時のヒラルディ氏ではなく、そのご友人との事だった。バラガンの建築を保全したい意図もあるとの事で、現在の所有・管理となっている。因みにこちらも室内は原則撮影禁止だが、バラガン邸に合わせ500ペソの費用で1階は撮影可能。2階は実際にお住まいの家具などあり、リビングだけ見させて頂く事は出来るが、撮影は不可だった。玄関からホールに至る空間の構成は、先のバラガン邸に良く似ている。やや広めの玄関を通ると2階へ通じる階段吹抜けがあるホールがあり、そこから変化のある次の空間へ移動する。黄色い色ガラスから放たれた光で黄色い空間となったプールへの廊下、その奥に1m程の水深のプールと青と赤の壁、ここでもより色が効果的に使われている。黄色い光を放つ縦スリットのガラスは、布の様なもので黄色い色を斑に着色してあり、独特の仕上りとなっている。 屋上に上がると高い壁に囲まれた外部空間が広がる。以前は周りの建物に干渉されない空間だったが、階高の高い建物が後に出現し、屋上の空の風景にビルの姿が割り込んでいる。 次のアポイントまでの時間を利用し、昼食となった。ガイドのHさんのご紹介で恐らく地元の方しか来られない感じの、ブッフェだった。今回初めてのメキシカンフーズを口にすることになった。スペインの食べ物と味や見た目がかなり違う。タコス、サルサの組み合わせで基本的に辛い。 食事後、更に移動。トラルパンの礼拝堂へ。こちらのエントランスも分かり難い。 知っていなければ、きっと素通りしてしまうに違いない。門を入ると直ぐに中庭が目に入る。バラガンの建築でよく目にする格子、黒い水盤があり通りから遮断された静寂があった。室内は格子からの光が柔らかく拡散している。空間は鋭角の壁で2つに分かたれ、もう一つのステンドグラスから広がる光で奥に赤い壁が見える。やはり静寂と色を持つ光で満たされた空間。 因みに礼拝堂の室内の撮影は不可、中庭はご案内いただくシスターによってOKの事もあれば、駄目な時もあるらしい。今回はOKだった。 今日のバラガン・ツアーはこれで終了し、それぞれのホテルまで送って頂く。17:30で日没まで若干時間があったため、ソカロ地区に行く事にした。メキシコの交通は、防犯に注意しなければならないという特殊な事情がある。流しのタクシーは強盗の可能性、地下鉄はスリで、素性の知れたタクシーしか使えない。とすると、どうやって観光の皆さんは移動されているのだろうと、不思議になってしまう。一先ず、ホテル発のタクシーに乗る。ソカロ広場には歴史地区、カテドラルの古建築が幾つかある。渋滞で思いの外時間が掛かってしまい、到着時には薄暗くなっていた。カテドラルだけ見る事にした。外観では分からなかったが、床が大分傾いている。アステカの遺跡の上に建てられたカテドラルは、元々メキシコシティが湖の上にあり地盤が良くないらしい。 夜の街はまだ様子がつかめない為、ホテルに戻ることにした。流しのタクシーしか見当たらず、地下鉄を利用した。かなり警戒していたため、返って周りからは奇異だったかもしれない。注意すれば大丈夫なレベルだった。 10月27日 今日も午前中の現地のツアーを予定していた。 キリスト教三大奇跡のグアルダルーベ寺院、メキシコシティ郊外のテオティワカンを半日で回るものだった。まずはグアルダルーベ寺院へ。 古い寺院は軟弱地盤に建てられた為、外観上も大きく傾いている。内部の床もスロープのように勾配が有る状態となっている。このため、新しい建築が1976年にその直ぐ脇に建てられたとの事だった。 外観で印象的に見えたステンドグラスは、内部に大きな効果を生み出していない点が気になる建築だった。 車に乗り込み高速道で一気に郊外へ。今までの風景から変わり人家の疎らな、田舎の風景。やがて遠くにテオティワカンのピラミッドが見え始める。周りに視界を遮る物が少ないため、遠くからでも見える。でかい。テオティワカンとは後世のアステカ人が名づけた「神々の都市」の意味。アステカ人がここを発見した時には既に文明は途絶えていた。 二つのピラミッドに登る事にした。まずは月のピラミッド。高さ47mの途中までしか上がる事が出来ないが、高山の低気圧のせいで結構息が切れる。 続いて太陽のピラミッドへ。こちらは高さ65mの頂上に上がる事が出来る。乾燥した空気のため汗もスッと乾いてしまう。 ピラミッドの下では待ち構えたように物売りのおじさん達が近寄ってくる。日本人の誰かが伝授したものと思うが「ほとんどタダ!」と言う、彼らの日本語が妙に面白く、ツボにはまってしまった。 メキシコシティに戻る。 ホテルはチャプルテペック公園に面した立地。公園内には今回見たいと予定していた国立人類学博物館とルフィーノ・タマヨ博物館がある。先に国立人類学博物館へ。 公園の中の小道を歩く。 ふと見るとリスが居る。しかも多数。可愛いと思って見ていると、彼らは意外に厚かましい。餌を求めて平気で近寄ってくる。 途中の公園、博物館には小学生くらいから高校生くらいの学生が見学の為か多い。恐らく希少価値であろう日本人を見つけると、何かしらのアクションをしてくれる。写真を一緒に撮らせてくれとか、手を振ったりとか、メキシコ人の陽気でアクティブな一面を見せてくれた。 博物館の収蔵量はかなり多い。ゆっくり見るとなると丸1日は掛かりそうなため、早足で回る。結局、夕方の閉館まで掛かってしまった。 10月28日 朝より地下鉄に乗りメキシコシティの南の方へ。多くの教会が13時以降から夕方までクローズとなると言う情報から、午前中に幾つかの教会を見る様予定を組んでいた。フェリックス・キャンデラ設計の物に絞った。 ヌエストラ・セニョーラ・デ・ソレダ礼拝堂へ。屋根のシェル構造と壁に出来る三角形の隙間に、ステンドグラスが埋め込まれている。壁とのバランスが良い。 地図上では近くのサン・ビセンテ・デ・パウル礼拝堂へ。Googleの衛星写真では場所の特定が出来ていたが、アプローチが分からない。街区を1周し、何人かの人たちに訪ね、漸く礼拝堂に向かう入り口を見つけた。住宅地の奥まった位置にそれは有る。先ほどの礼拝堂と違い、水平方向への広がりを感じる明るい礼拝堂だった。 更に地下鉄で移動。ミラグロッサ教会へ。多面体の屋根とスレンダーな柱脚のデザインが美しい。 そのまま地下鉄でソカロ地区へ。街の中心的な場所でもあり賑やか。 地下鉄で移動し、チャプルテペック公園内のルフィーノ・タマヨ博物館へ。 入り口まで行くと、係りの方から、現在改装中でクローズとの事だった。少なくとも今年中のオープンはない様だ。楽しみにしていたが仕方がない。諦めてホテルに戻る。 夕食はホテル内のメキシカンで取ることにした。ガイドの方からお薦め頂いたビールの飲み方を試す。ライム(こちらではリモンと呼ばれている)を多めに絞りビールに入れる、と言った物。ビールはやはりコロナビールをオーダー。軽く1本飲んでテキーラを考えていたが、とんでもない。気圧のせいで早くに酔いが回り、ビール1本で十分な状態となってしまった。 メキシコシティ最後の夜を満腹になって過ごす。
by kawazoede
| 2011-11-06 10:10
| メキシコシティの旅'11
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