設計事務所のブログ
by kawazoede
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敷地は北で接道し、南の河川に向かって広がっています。川の河口付近に位置します。

東西の隣地には既に建物がある為、川に向かう南北に建物の軸線を設定しました。
計画では建物を大きく3つの用途に分けています。エントランス棟、ゲスト棟、メイン棟です。周辺環境へ影響を抑え、且つ3つの棟を機能的に分離して配置する様、平屋としています。
軸線を南に移動するごとにプラバシーを高める様、3つの棟の配置を検討しました。
3つの棟は中庭を挟んでそれぞれの距離を保っています。

軸線(path)は3つの棟と2つの中庭を貫き、空間をつないでいます。
直線的な動きではなく、また正円の様な幾何学的でもない曲線です。
エントランス棟からメイン棟へpathを歩む途中に、2つの中庭やゲストのエリア等を通ります。
pathの動線上では内と外との境界が曖昧になり、内外が一体となった空間を創り上げています。
pathを介し空間を移動する事で異なるシーンが連続し全体に変化を感じます。


周辺に配慮し、全体のボリュームを押えた形態としています。

水平にフラットに伸びる3つの屋根が、軽く、pathの壁の上に乗ったような外観です。
道路からの外観は曲面のpathの壁とエントランスのみしか見えません。


建物に近づくと、pathの曲面の壁に沿って自然にアプローチします。
その壁には淡路産の瓦のボーダータイルを貼っています。瓦の焼きムラで起きる微妙な色や形の変化をそのまま取り入れています。その変化で壁に炎の力強さが表現されます。瓦は床の一部にも使用しています。
その他、壁の一部にも淡路の丸瓦の仕上げ、淡路の左官仕上げなどがあります。それらはこの場所性を感じる物です。何れも、従来の和建築の使い方ではなく、他にはない淡路の、この場所にあるリゾートとしての使い方です。
全体にバナキュラーとモダンの融合を意図しました。


by kawazoede | 2021-06-15 22:14 | works
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