設計事務所の日記
by kawazoede
焚き火
12月22日
高床の家の現場へ。大工さん2人が作業中だった。床と外壁の合板が取付けられている。徐々に空間らしくなってきた。年内に屋根の施工は難しいとの事だった。ルーフィングの上にしっかりとしたシートの養生をしてくれている。棟梁T氏と窓枠等打合せ。焚き火_e0097130_851865.jpg南の庭に休憩時に暖を取る為の焚き火がパチパチと音を立てていた。現場で発生する廃材をくべていた。よく小さなドラム缶を使われているが、変わった形で目を引いた。周りに建物が少なく、広い敷地でしか見る事の出来ない冬の現場の風景。
事務所にてスタッフと打合せする。昨日までに届いた質疑回答書に目を通す。多くの質疑は来ていない。作成後ファックスし計画案の内観を検討。
年賀状の葉書の印刷が上がってくる。一見してこちらがオーダーした形と違う。事前にサンプルやデータを渡し、説明したにも拘らず根本的な間違いが2点あった。これから再度となると時間が間に合わない。結局諦めて引き取る事とした。
夕方、オーダーキッチンのメーカー担当者が来所し、高床の家の施工詳細について打合せを行う。かなり突っ込んだ点まで打合せを行うことが出来た。建築主の判断が必要な数点を保留とさせて貰う。仕上りは期待できそうだ。
夕方、コンペのプロデュース会社から、昨日打合せの件について変更点の伝言を聞く。計画に入るとクライアントの微妙なニュアンスは直接話しをしなければ、期待通りの案を作成する事は出来ない。言葉や表情の内に秘められた真意を理解する事に努めている。今回の依頼も不明な点があった為、直接お伺いする。
アトリエに戻り計画案を検討。
# by kawazoede | 2006-12-23 08:05 | 日記
計画案打合せ
12月21日
事務所にて、計画案パースを作成。午前中に作成完了しプリントを開始する。画面上で見ている色とプリントで出てくる色は微妙に異なる。プリンター、モニターのどちらにも原因はある。プリントしてPC上で色を調整し、またプリントを繰り返す事になる。
建築の形態を検討しながら、幾つかの本を読んでいる。新しいテクノロジーで既存の概念から解き放たれ、重力、光、風等に対し自由な形態が生まれている。それでも水平面に対しては絶対的な影響が建築には付きまとう。風や光はコントロールできるとしても、雨に対しては昔ながらの方法で対処せざる得ない。防水能力が幾ら向上しても、水を切るという機能面が障害になり、外部で完全なフラットの面を作ることは出来ない。幾何学で建築を作ろうとしても、何処かにしわ寄せが起きる。同じく純粋形態で建築を作ろうとしても、同じ問題が発生し、極力目立たないか目の錯覚に頼って誤魔化すしかない。建築が彫刻とその生成プロセスを分かつ大きなポイントと思っている。近代建築以降のデザインに矛盾を感じながら、何かしら別のデザインコンセプトが必要と考えている。
計画案打合せ_e0097130_0795.jpg姫路に移動。計画案の打合せを行う。パースと模型でプレゼンを行う。5つの案について御説明し、意見を交換する。凡その方向性は決まりそうになったが、次回まで検討頂く事とする。平面に対して新たな御要望を伺う。若干の変更が必要となった。
アトリエに戻る。到着時にアトリエの敷地内で一寸した事件があった。所有するとは同時にそれを守らなければならない義務が発生する。今日はその事を痛感させられる。
# by kawazoede | 2006-12-22 00:07 | 日記
鉄骨階段
12月20日
鉄骨階段_e0097130_03139.jpg朝、平岡町の家の現場へ。大工工事・板金工事が行われている。軒先の納まりについて打ち合わせ。空間のイメージを確認していく。2つの中庭に挟まれた和室のスケール感や光の入り具合、リビングと浴室からの中庭の見え方等。今回計画は密集した市街地にあって、中庭がプライバシーを守り、かつ内部空間を視覚的に広げると言う意味でデザイン的に重要なポイントとなっている。暫くして鉄工所のトラックが到着。荷台に先日打合せの鉄骨階段が積まれている。どうやって中に入れるのか気になっていたが、ユニックのアームを旨く伸ばし、セットする位置の2m付近まで移動した。慣れたものだ。今回も階段を通して入る光と坪庭への視界を確保するために、「ささら」は100mm幅の稲妻形で踏み面を持たせるデザインとした。木造住宅で階段を鉄骨で設計した事例がこれまで6件ある。螺旋であったり、吹抜けの中に有ったりと空間との関係性で決まる事が多い。取り付けに暫く掛りそうな為、現場を離れる。
事務所にて明日打合せの計画案を作成する。スタッフのパースは昼過ぎに完成した。引き続き模型を作成してもらう。パースの色とアングル、ディテールを調整しレンダリングする。レンダリングし間違っているところや不足点が見えてくる。その都度修正しながら4案を作成。アトリエに戻り、引き続き明日の打合せに向けて図面を作成する。アトリエでの作業は薪ストーブのあるリビングへと数日前に移動した。時折炎や煙突の温度計に目を遣りながらの作業である。今日のストーブは調子がいい。
# by kawazoede | 2006-12-21 00:31 | 日記
計画案打合せ
12月19日
事務所にて計画案を検討する。昨日、スキップフロアの法的な解釈で民間申請期間に質疑した回答が、今朝電話であった。法的に説明が付きにくい事例は偶に発生する。その場合、お互い何かしらの根拠をこじつけて解決するしかない。今回もすっきりしない回答だった。以前であれば自治体1箇所のみでしか申請できず諦める所だが、この件については別の申請機関に聞くことも考えている。
別の案の検討を始める。夕方の打合せまでに、1案作成する。構造設計に大きく関わる部分があり、電話でM氏に問う。何とか考える事も出来ると言う返事だった。
ここ1週間で事務所には各社のカレンダー等が多数届く。去年より多いのではないかと思う。やはり企業の景気は上向きか?とつい考えてしまう。
事務所の南側の道で数ヶ月前から道路工事をしている。厳密には道路の下の配管工事である。慣れてしまったが、騒音は気になるものである。突堤に近く、この近辺は満潮時に台風が来ると1階が冠水する事があるらしい。今行われている工事は、潮位が上がった際、海水を配管で別の場所に排水させる物で、完成すれば冠水の心配は無いと言う。行政サイドとしては川にしても海にしても、治水は防災上重要度が高い事業と言う事と思う。
計画案打合せ_e0097130_7372667.jpg夕方、灘区の計画案の建築主御夫妻が来所される。計画案の打合せを行う。計画案平面図、断面図、模型を御説明する。数点、迷われている所がある。これから数十年住み続けられる建築であれば当然の事と思う。それでも大きい方向性と問題点は見えてきた気がする。
夕食を取り、磯上付近のSBCでラテを購入。何処で買っても安定した品質が得られる店舗は有り難い。
# by kawazoede | 2006-12-20 07:37 | 日記
合板の流通不足?
12月18日
朝、高床の家現場へ。今日は天気予報が早まって朝から晴れている。屋根の仕舞いがまだの現場があると、毎日天気が気になって日に数回予報を見ることがある。現場では野地板の取付が終っていた。今日、ルーフィングが取付けられると聞き、一安心する。今週の工事の段取りを聞く。構造用合板が不足していると言う話を何処の現場でも良く聞く。ロシアからの針葉樹の輸入が減った、中国や中東へ木材が流れている、投資の対象となって在庫を溜めて流通量が減っている、その他色々な噂は耳にするが、合板が無い事は確かなようだ。棟梁の手伝いで来られている大工さんの名前を以前聞いて、変わった苗字と記憶していた。数代前の先祖が一族で、四国から移ってこられたとの事だった。五百蔵(いおろい)さんと言われる。
事務所へ移動。
事務所にて計画案のプレゼン用図面を作成。スタッフは模型を作成している。午前中に完成した。昼、確認申請の事前相談で民間申請機関へ。席に着くと透かさずお茶が出てくる。スキップフロアは法的な解釈が難しくなる事がある。構造的にも水平剛性が取り難いが、以前設計した上荘町の家での実績がある。空間の連続性を垂直面に広げる事が出来る。
事務所に戻り、計画案の法チェックとプレゼン用に図面をまとめて行く。
アトリエに戻り別のプロジェクトの計画案を作成する。
# by kawazoede | 2006-12-18 23:55 | 日記